1975年のパリサロンでのami8の写真を見つけたので、ここでami8のモデルチェンジについて少し触れたいと思います。ami8は69年3月11日のジュネーヴショーでのデビューから大まかには3つのマイナーチェンジをしており、個人的に初期 (69-70年型)、前期 (71-73年型)、後期 (74-77年型)と分類しています。※シトロエンの正式な見解ではなく、個人的に大まかな変更点が多く重なる時期で分類しています。詳細はさらに細かい仕様の変更がありますし、販売された国(ドイツ、オランダ、イギリス、イタリアなど)や製造された国(スペインやアルゼンチン)などで仕様が違いますので、本国の仕様を大まかに。
初期型(〜1970年5月)
前後共にスライドウインドー。グリルにダブルシェブロンがありません。合わせてフロントのスモールランプとウインカーはウインカー部分のみオレンジに色分けされています。※この時期のイタリア輸出仕様のみフロントスモールランプ、ウインカーともにホワイトです。ホイルキャップは当初アルミ製のセンター凹みが小さいタイプです。
モデルはami8もしくはami8 clubが選択できました。シートの素材が折り目がクロスしているファブリックもしくはジャージ素材+合皮の2種。※写真はclub 。この時代の素のami8はシートがベンチシートですが、clubには背もたれ調整のついたセパレートシートのほかにシート横にサイドポケットが装着されています。また外観上最大の違いである、ドアウインド周りのステンレスモールとサイドモールが装着されデラックスな仕様になっています。他にも遠心クラッチが装着できたようですが、遠心クラッチ付きのami8が73年以降のモデルで見かけたことが無いので、1969-71あたりのオプションなのかもしれません。
他にもドア内張りの形状が他モデルと違いプラスチック成型されポケットもあります。こちらには写真がありませんが、DSと同様のJaegerの時計が付いているものやラジオとラジオアンテナを装着したものもあり、そのあたりも選択だったのか、標準なのかが判りません。
前期型(1970年6月〜1973年8月)
前期型(1970年6月〜)ドア内張りが簡素なものに変わり、ウインドレギュレーターは白。この時代にも初期型同様に豪華仕様のclubがありました。現存するami8はこの時期のものが最も多いと思います。このモデルでは後期型への片鱗もあり、プレ74年型(1973年5月以降)にはリアゲートの"ami8"のバッジはゴールドのプレートに変更になります。また、この時期には黒一色だったダッシュボードに茶が追加されています。
後期型(1973年9月〜1978年7月)
写真は僕のami8ですが、フロントのサイドパネル下部に追加されているウインカーと、細かい話ですが、ホイルキャップの形状を除けば外観はほぼオリジナル状態です。この時期以降と思われる2気筒シトロエンの共通の変更点はホイルキャップの素材と形状かと思います。センターの凹みが大きくなり、後の2cvチャールストンなどと同じ形状になっています。ブラックアウトされたハニカム形状のグリルとすべてクリア化されたフロントのスモール/ウインカーレンズ(1974年9月以降)ウインドーレギュレーターは黒になります。
内装に目をやるとそれまでami6以降、DSと似た形状だったステアリングホイールはウレタンのものへ変更。シートの形状や素材も変更されています。またシート角の調整がダイヤル式だったものが、ここで初めてレバーの付いたリクライニング式になっています。シート色はファブリック+合皮タイプは見たことがあるだけで、ベージュ系、グリーン、ブルー、ブラウン(写真参照)があります。ボディ色に応じて好みでブラック、ブラウンの全合皮が選べたようです。
こういった変更は大まかなもので、先ほど記載したホイールキャップの形状の他にもフロントバンパー中央のブラックアウトされたものとされて無いもの、シフトノブのリングの有無、フロアのグレーのマットの素材および形状、シートベルトの形状など僕が気がついただけでかなりの細かい変更があります。またイタリアや北欧の一部の国々へはフランスから元々サイドマーカーが追加されたものが輸出されています。さらにこれにモデルとしてami8にberline、break、commercial、73年に追加され76年まで製造されたami superを加えるとかなりの違いがあります。ami superの年式による変更箇所も最近いろいろと判ってきたので、その話はまたの機会に。
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