2017/10/03

BUYERS GUIDE

アミの購入を検討される方で検討すべきポイントは以下の通りです。

<はじめに>
アミ6や8の購入を検討されている方に最初に申し上げておきたいこと、この車は世界的にみて決して珍しい車ではありません。もちろん日本国内での現存台数が5~60台(2017年現在)なので日本では珍しいですが、フランスはじめヨーロッパを中心にアミシリーズ合計180万台以上を販売した安価な普通乗用車であることをお忘れなく。また古い車なので年々程度のいい車が減っているとはいえ、フランスやオランダでは常に多くの中古車が市場に出回っています。パーツもほとんどが入手可能です。

<探す前に>
みなさん勘違いしがちですが、ご自身が購入予定の車種が少しマニアックであれば、間違えなくショップの人より一般のオーナーさんの方がその車に詳しいのです。なぜならショップがその車と接するのは販売するまでの期間、もしくは整備する瞬間だけですが、我々オーナーは日々ご自身の車と向き合い、変化を感じているのですから。もちろん整備のことなどは詳しい整備士の方(経験値の高い方)はいらっしゃいます。
その日々の変化すら感じれない方は申し訳有りませんが、アミはもちろん、クラシックカーに乗ることをお勧めできません。ご自身で整備をされなくともその日々の変化への気づきが車の発しているSOSですから重症になる前に処置することができます。

ショップに在庫車両を見に行く、イベントでスポットライトの当たっているアミを見たからと言って即購入に至ることはオススメできません。なぜなら上記の通り、在庫は日本に無いだけで世界にはいくらでもありますし、まずはアミのオーナーの声を聞かれてから購入しても遅くは有りません。


<ショップ選び>
クラシックカーの場合、購入するショップとメンテナンスを実施するショップが必ずしも一緒と考えない方がいいと思います。販売店なのか整備工場なのかの見極めが重要です。基本販売メインでされているショップはメンテの見識が多くありませんし、営業と技術者が考えていることが違うのは一般企業でも同じことです。

特に販売店の責任者(経営者)が整備士でなければメンテナンスは期待しない方がいいかもしれません。基準に国家資格整備士がいるかどうかというのもチェックしてもいいかもしれません(資格のない素晴らしい整備士もいらっしゃいますので一概には言えませんが)。

基本ネット検索やイベントなどで目に留まるところはそこにコストをかけています。そうでないショップの方が中身にしっかりかけているというのは車以外でも同じですね。

あなたが今ネットで見つけて気になっている車、車を買うからショップはその在庫を持っていればいいとお思いの方もいると思いますが、後で後悔しないように熟考してください。その店が改造を加えてしまった後の購入ではオリジナルに戻すのに思いの外の出費になる可能性があります。


<海外で探してみる>
amiはご存知の方も多いと思いますがフランス始めヨーロッパでかなり売れた大衆車です。日本国内は約1年ほどしか正規輸入されなかったおかげで珍しい車という認識ですが、100万台以上が販売され、フランスやオランダではかなり多くの個体がありますので、焦って買う必要などありません。
海外の中古車サイトはぜひ一度ご覧になって現地の価格をチェックしてみるといいと思います。

ヨーロッパですと車種によりami6かami8かまたボディ形状などにもよりますが、程度良好のもので概ねami8breakで€3,000、ami6berlineで€6,000(日本円で45万〜80万円)で購入可能です。私はあるショップで(別の車ですが)輸入代行してもらい輸入してみた感覚だとamiですと、船便代金〜通関、税金、予備検査まででガス検査(1976年以降の車はガス検査がありますが、アミは1975年までありません)が60〜80万円程度のはずです。

手間はかかりますがご自身で探す幅が広がりますので、メンテナンスする整備工場の目処がたつ方にはお勧めできます。


<ボデー>
フロアのサビ、バルクヘッド下部のサビ、リアインナーフェンダーのサビ、腐食。錆びやすい部分はリプロのパネルがありますが、それも結構面倒な作業なので、サビの有無を確認ください。

<外装>
各パーツがオリジナルかどうか。
国内にあるアミ8のほとんどはサイドマーカーがオリジナルではありませんし、業者もオリジナルのパーツ情報、位置などを知らないことがほとんどです。
ルーフのモールはオリジナルで無い個体が多い※このパーツは私見ではかなり見つけにくいです。
バンパーはリアがかなり見つかりません(デッドストックは)また、バンパーのオーバーライダー(ゴム)はかなり見つかりません。
ヘッドライト、フロントウインカー、リアテールレンズ等は全て探せばデッドストックが割と簡単に見つかります。ヘッドライトは 粗悪なリプロ品ががありますが、メーカー刻印もなくメッキも陳腐で場合よっては光量不足で車検にパスしないと言ったことも聞きますので、多少値が張りますがオリジナルを探すことをお勧めします。ヘッドライトはデッドストックが見つからない場合は再メッキも可能です。テールレンズはリプロがありますがフチのメッキ部分がなぜかブラックアウトされていて変です。

またウインドウ周り、ドア周りなどのゴムはリプロもありません。一部ボディの継ぎ目のゴム類のリプロがあります。またスライドウインドのレール等は一部リプロがありますが、素材とフィット感が全く違います。オリジナルはほぼ無いと思います。(海外で探しても6年で1〜2度しか見ませんので)。

フロントガラスはリプロがありますが中国製です。オリジナルのデッドストックも見つかりますが海外からの輸入になり送料も高額なので、傷はチェックした方がいいです。海外だと雪かきの際に傷ついている車両を多く見かけます。またガラスには白い文字でメーカーと品番などが書いてありますが、それがないと日本での初回登録時に通らない(もしくは引っかかる)ケースがありますので日本に持ち込まれてすぐの車体は全てのガラスにサインがあるか確認するのが無難です。

外装だとお気付きの方もいるかもしれませんが、ホイルキャップは年式で形、素材が違います(これはほぼショップが知らないことが多いのは驚きですが)ホイルキャップの変更は73~74年で、その際に形と素材が変わっていますので、綺麗にしたいという理由だけでリプロに変えるとオリジナルでなくなるケースがあります(すでにリプロになっている車両も多いと思いますが)

合わせて非常に残念なのが輸入時にオリジナルのドアミラーをリプロに交換している車両が多いことです。しかも探すとオリジナルで程度がいいものが少ないので、輸入された車両にオリジナルのドアミラーが付いている場合は交換される前にショップにひとこと言った方がいいと思います(ショップになぜそのこだわりがないのか不思議で仕方ないのですが)。

<内装>
内装はオリジナルの程度が良いものが多く無いため国内で張り替えるケースが多いです。

ここからは好みですがシートのファブリックはオリジナルの素材に近いものが海外で手に入るのでそれが良いように思います。業者の好みや無いセンスで国内のファブリックに張り替えた個体を見かけますが、オリジナルに戻すのが難しくなりますし、なぜ車のシートにソファ生地を貼るのかセンスを疑います(ソファの生地は強いですが硬いものも多く座り心地が激変します)。是非オールドシトロエンのファブリックのシートに一度座ってみてください。その柔らかさを基準にしていただければ良いと思います。

フロアのPVCのグレーマットはリプロ品が見つかります。ダッシュボード等は海外のシトロエンの中古パーツショップなどから取り寄せも可能です。ルーフの内張は同じ素材のリプロが無いのでもし張替えが必要な場合は似たPVCシートを張ることになると思います。
ami8 berlineのリアシート後ろのカーペットが貼ってある部分ですが、これはオリジナルはシートベルトのボルト穴部分が取れるようにミシン目が入っています。こちらはリプロはありません。

ami6,ami8ともにオプションでラジオがありますが、オプションでラジオが装着されている確率は私見ですがami6で10台に一台、ami8だと2〜30台に一台です。時々海外のオークションなどでラジオを見かけますが割と高価です。(€100~)


<機関>
●基本2cvと同じなので、パーツに問題はないと思いますが、業者によっては何も考えずに2cvのエンジンを載せ替えているケースがあります(2cvのエンジンの方が安心というのは迷信です)ので、エンジンのプレートが正しいか確認ください。エンジン周り、電気系、補記類は全てデッドストック、リプロで揃えることが可能です。またami6~1970年代頭までのami6及びami8は遠心クラッチのオプション装着されている車両があります。残念ながらショップが面倒を見切れずに通常のクラッチに交換した車両が多いですがパーツもありますし、そのまま維持することも可能です。※ヨーロッパで維持できているのに日本に持ち込まれて改造されるのは心外です。

<パーツ>
上記と重複しますが、アミのパーツは基本主要部品で手に入らないものはありません。ゴム類等の欠品などはありますが、日常使用するための主要パーツは安価です。主にはドイツ、オランダ、フランスから取り寄せか国内のパーツサプライヤーで購入可能です。また少し手に入りにくいパーツでもドイツなどのショップで探してくれるケースもあります。

<維持費>
毎日足に使うと言った方の場合はなんとも言えませんが、休日のドライブや買い物に使う程度であればオイル交換とグリスアップをご自身ですれば(簡単です)その実費のみです。もちろん整備工場にお願いしてもたかがしれてます。どこか不具合があり修理を伴う場合は別ですが、別段問題なければ年間の維持費は数万円だと思います。また機関の主要部分をリフレッシュしたとしても2~30万円程度かと思います。


<最後に>
どこかのショップでご自身の目に止まった車があった場合、浮き足立って購入に至って、あとで後悔することになる前に今だと色んなネットでの情報、SNS、イベントなどで同車種のオーナーや同メーカー、フランス車のオーナーとコミュニケーションを取れば、自ずと何が正しくて何が間違えているかわかるはずです。



そのほか、何か知りたいことなどございましたら当ブログにご一報ください。

思うこと

こんにちは。
今日は思うことをひとつ。amiの情報を期待して頂いている方には申し訳ないのですが、古い車などでいろんな方と接したりお付き合いしたりして気づいたことをいくつか。自分でも気をつけたいなと思うことです。


<故障自慢>
シトロエンに乗る一部の方かもしれませんが、「愛車の〇〇からLHM漏れ」とか「故障」をネタにしている方がいます。もちろんそれをネタにすること自体は全く問題ないというか普通なんですが。故障を自慢する人がいて。そんな方々は壊れている=壊れる予知が出来なかった、もしくは経年劣化を理解していない方、と私は理解しています。どうしても古い車乗ってると「壊れませんか?」って聞かれますよね。私は経年劣化であって壊れたわけではないといいます(実際壊れません)。ほとんどの場合古いから壊れるのではなくきちんとメンテナンスしていないことが原因です。古い車=壊れるといった風評も多いので、そういった故障自慢は辞めていただきたいと思います。もちろんトラブルシューティングとして整備をネタにしていただくのは大いに結構でどんどん情報提供して欲しいのですが。

<「変態」という名の褒め言葉>
もう一つシトロエンとか古い車乗りで自分とか人のことを褒め言葉と称して「変態」と言って喜ぶ人がいますよね。言葉として遊んで楽しんでいる人が多い気がします。あまり品も良くないですし、止めませんかね?その言葉。中にはそう言われて人が喜ぶ(自分も嬉しい)人もいらっしゃる様ですが。人と志向が違うことも趣味が違うことも少数なことも「変態」ではないと思います。もともとごく少数の方が身内同士で使っているうちは良かったかもしれませんが、最近、言葉だけが一人歩きして誰にでも使う人が多い気がします。もともとの言葉の意味からしてあまりよろしくないと思った次第です。

<「こんなもんです」という名の修理>
あと故障を修理出来ずに「こんなもんです」というショップ。こんなもんってそんな失礼な言い方ないですよね。きちんと整備できる整備士さんもいらっしゃるのに。そう言ったショップは出入りを止めたほうがいいと思います。整備できるショップと出来ないショップの差は構造を理解して原因を突き止めている(もしくは見地がある)か闇雲に触っているかの差です。特にシトロエンの様な大量生産の工業製品が「こんなもん」な訳ないんです。「こんなもん」がamiやDS、GSの様に1,000,000台以上販売されるはずがありません。


写真と本文は関係ありません。

2017/10/01

トリコロールデイ2017


去る9月24日、今年も例年同様久住高原でのトリコロールディに参加して参りました。今年は関西に住んでいた時からの友人二人がシトロエンで参加してくれました。Nさんは今回はami8でなくDyane6での参加、Rくんは残念ながら維持して来たクラシックシトロエン2台を手放したため新車からずっと乗っているC2での参加となりました。福岡方面からツーリングしながら会場入りするツールドアリタ主催のTさん(AK350オーナー)たちと途中合流し、下道で久住を目指しました。実は当日早朝に九州にフェリーで到着した彼ら、同日夕方のフェリーで帰路につくというので会場の久住には2時間も居なかったので写真は取れず仕舞いでした。

新門司港までの帰路一緒に行動しましたが、私の読み違いで大分側から新門司を目指してしまったため時間がすごくかかってしまいましたがギリギリでフェリーに間に合いました。(地震や大雨の影響で遮断された道路もあり)ひとまず間に合ってよかった。次回はまたどこか(来年かな)の再会を約束し、別れました。
会場で撮影した写真がなかったのですが、トリコロールディのサイトで見かけたので拝借しました(勝手にすいません)。